エイズは比較的新しい病気だけど、その起源はどこなの?

2020年04月06日

HIVの起源はもともとチンパンジーが持っていた免疫不全ウィルスが、人間にも感染するよう突然変異をしたものであるという説が有力です。エイズが初めて認識されたのが1981年の米国でしたが、保存されている血液を検査したところ、それよりも前に抗体が発見され、様々な調査を経て実際には1981年よりも100年以上前からHIVは存在していたと発表されています。ウィルスの起源はアフリカでチンパンジーを食用としていた人たちが初めて感染したものと言われています。現にアフリカ大陸南部では多くの人がHIVに感染しており、エイズを発症して亡くなる人の人数も他の地域と比較するとけた外れに多いのが特徴です。

地域的に発生したウィルスも、世界の交通機関の発達とともに各地に容易に拡散していく時代となっています。アメリカ大陸には黒人奴隷から様々な病気が持ち込まれることになりました。病気だけでなく、寄生虫や小さな虫も移動することになり、移動先の生態系にも大きな影響を与えることになりました。黒人奴隷は3世紀半の間で1000万人以上が運ばれたとされていますが、一度カリブ海の島を経由して本土に持ち込まれています。

日本においてはエイズ患者が初めて発見されたのは1985年です。この場合人が直接移動したことが原因ではなく、輸入された血液製剤により感染しました。当時は加熱処理が行われていなかったため、生きたウィルスがそのまま体内に取り込まれることになり、感染が拡大し、当時薬害エイズ問題として大きな社会問題となりました。1985年以降も感染者数は増え続けており、今日の日本では先進国の中でもHIVの抑制に歯止めがきいていない状態となっています。

現在HIVは塩基配列をもとに4種類のグループに分類されています。HIV-2に分類されるウィルスはアフリカなど特定の地域でのみ流行しており、現在世界で感染が確認されているものはHIV-1型によるものです。アメリカをはじめ世界各地の都市が拡大するにつれて人口が密集し、都市売春もまたHIV拡散の原因の1つとなっています。都市売春の他には違法薬物の注射を経由した血液感染も感染拡大の原因です。現代のアジア地域では注射器によるHIVの拡散が問題となっています。

医療技術、衛生の改善により血液感染によるリスクは低下してきていますが、ウィルスそのものも変化を続けているため、薬剤の開発とウィルスの耐性獲得がいたちごっことなっている状態で、現在でも完治させることができません。一度感染してしまうと現代医学では慢性疾患として長い間病気と付き合わなくてはならないため、感染しない、感染を書く出させない意識が大切です。

自然界にはある日突然それまで感染しなかったものが、人間にも感染するように突然変異する現象がおきます。話題となるのが鳥インフルエンザですが、こうしたウィルスは私たちのごく身近なところにあり、高い中毒性を持つものが流行する危険は常にあるのです。

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