知らないうちに進行しているHIV感染からエイズ発症までの流れ

2019年11月21日
ウィルス

感染してしまったら、今後の対処方法を考えなくてはなりませんが、感染初期のほとんどの人は無症状のため、知らない間に他人に移してしまう危険性があります。これを無症候性キャリア期と呼びます。無症候性キャリア期はその人の免疫力や年齢、HIVウイルスのタイプによっても変わってきますが、長い人では10年近く無自覚なことも珍しくありません。この期間では体内にウイルスがあるため、他人に移してしまう可能性も保有しているウイルス量に応じて高くなります。

感染直後は体内でウイルスが急激な増殖をするため、急性期と呼ばれる症状がおよそ2週目から4週目程度の期間に出ることがあります。症状としてはインフルエンザにも似た高熱、リンパの腫れ、節々の痛みなどが代表的ですが、個人差があり、急激な増殖がないまま無症候性キャリア期にはいったり、症状が出ても軽度なため、ただの風邪として見過ごしてしまうこともあるので注意が必要です。

一時的にウイルスが増えても、その後は体内の免疫によってウイルス量は低下し、無症候キャリア期になります。この期間にも免疫細胞であるCD4陽性リンパ球の数は減少していき、風邪にかかりやすくなったり体力が低下し、体重が減少することもあります。急性期にHIVの感染に気付いた人は早期治療をすることができるため、正しい投薬をすればうまくウイルスと付き合っていくことができるでしょう。

自覚症状もなく感染に気づかないまま過ごしてしまった人は、その後CD4陽性リンパ球が減少していき、いつかエイズ診断基準となる23疾病に感染することになります。日常生活の中では感染することがないウイルスや細菌にかかった状態を日和見感染と言いますが、日和見感染になる前にも症状が出てくるので、身体に変化があった場合はすぐに医療機関を受診し、対応していかなくてはなりません。検査ではCD4陽性リンパ球の数を調べることになりますが、200以下になると日和見感染のリスクが高いと判断されます。何かしらの疾病が認められればエイズ期に入ったとされ、エイズ発症として診断されることになります。

エイズ診断基準とされる疾病に感染する前にも免疫の低下によって体に様々な症状がでてきますので、免疫力の低下には個人差がありますが、なかなか治らない風邪や原因不明の症状が出てきた場合は血液検査をすると良いでしょう。エイズ期に入ってから治療を開始するのと、それ以前に治療を開始するのでは身体への負担も大きく変わってきますし、通院の頻度にも違いがあります。入院しなくてはならないような段階になってしまうと、命にかかわることもありますし、症状が改善しても以前のような生活を送ることが難しくなることもあります。

2週目から4週目に自覚症状が出たときに気づけるかどうかは、HIVに対する知識によっても変わってくるでしょう。もしかして、と思ったら検査を受け、不安を取り除くようにすると良いです。

関連記事
実はエイズにかかるのは人だけじゃない!猫のエイズについて

エイズは人間だけの病気でありません。そもそも人間にもエイズはありませんでしたが、20世紀にヒトと遺伝子の近いサルの免疫不全ウイルスが変異し、人間にも広まるようになったといわれています。身近なところでは猫エイズもあり、特に野良猫では感染率が高いため、飼い猫が野良猫と喧嘩をしないように注意する必要もあり

2019年12月24日
性感染症にかかるとHIV感染率は倍以上になるんです!

人間のエイズの話に戻ります。HIVの主な感染経路が性行為ですが、行為の内容とともに他の性感染症の有無もHIV感染率に大きな影響を与えます。陰部がただれていると、それだけ他人の粘膜や血液に接触する可能性が高まるからです。他の性感染症を移したり、もらってしまうリスクもありますので、性病は早めに治療をしな

2020年01月11日
HIVに感染しても早期発見すれば薬で治療ができる

現在日本で承認されている抗HIV薬の種類も増えてきたため、以前と比較すると普段の少ない投薬治療が可能になってきました。以前は頻繁に薬を飲まなくてはなりませんでしたが、現在は一日1回決められた時刻に服用する治療が一般的になっています。投薬治療で注意しなくてはならないのが、決められた薬を決められた時刻に

2019年12月07日
エイズ検査は無料で受けられるって知ってた?

HIVの検査に関する知識を身に着けることは、早期発見をする上で非常に重要です。早期発見ができれば他人に移すリスクも減りますし、感染者自身の身体的負担も軽減することができます。障碍者手帳が発行されることになりますので、その後の治療負担も軽減することができますし、日常生活の中でも様々なサポートを受けるこ

2019年11月08日